遺族厚生年金はいくらもらえる？

受給額はいろんな要件が加わってさまざまです。下に具体的な事例を紹介しておりますが、一般的なケースでは、「亡くなった夫が受給していた額の、おおよそ６０％から６５％くらいの水準です」、とおおざっぱに回答させていただいております。

具体的な受給例。まず、二人の現状を一覧表にしました　

夫（太郎さん）	現在募金の代行部分を含めて、140万円を受給している
妻（花小さん）	現在63才	特別支給の老齢厚生年金	報酬比例３０万円
	現在63才	特別支給の老齢厚生年金	定額部分４０万円
	65才からは	老齢基礎年金	６０万円
	65才からは	老齢厚生年金	３０万円

遺族厚生年金はいくらもらえるのでしょうか？

遺族厚生年金の基本の額は「老齢厚生年金×3/4」となりますので、太郎さんの老齢厚生年金１４０万円×3/4=１０５万円となり、この金額に夫の死亡当時の花子さんの年齢によって加算がつきます。

加算の額についておしえてください？

花子さんが６５歳になるまでは、中高年寡婦加算として５９万４２００円が定額で支給されます。６５歳になると、ご自分の老齢基礎年金年が支給されますので、中高齢過寡婦加算はなくなり、それにかわる措置として、経過的寡婦加算が支給されます。これはその人の生年月日で段階的に支給額が決まっています。

花子さんは、昭和２１年４月15日生まれですので、１９万８２００円になります。この加算は、夫の厚生年金の加入年数が原則２０年以上の場合のみ行なわれます。

私(花子)は自分の老齢厚生年金がありますが、遺族厚生年金と自分の老齢厚生年金の両方をもらうことができますか？

ご主人(太郎さん)が亡くなった時点の花子さんの年齢で次のように支給されます。

【花子さんが６０歳以上６５歳未満の間】

特別支給の老齢厚生年金は７０万円で、遺族厚生年金は１０５万円＋５９万４２００円＝１６４万４２００円となりますから、遺族厚生年金の方を選択するのが有利です。

まず、遺族厚生年金の額を確定します

というのは、６５歳までの遺族厚生年金の額は「夫の老齢厚生年金×3/4+中高年寡婦加算額」ですが、65歳以後の遺族厚生年金の額は

計算式X

「夫の老齢厚生年金×3/4+経過的寡婦加算額」」

と

計算式Ｙ

「遺族厚生年金(経過的寡婦加算額含む)×2/3+自分の老齢厚生年金×2/1」のいずれか高い方になります。

花子さんは、計算式ｘで計算したほうが高くなりますので、遺族厚生年金の額は105万円と経過的寡婦加算額19万8200円の合計１２４万８２００円となります。

次に遺族厚生年金の額を計算します。

花子さんには、ご自分の老齢厚生年金があるので、まずその額を受け取り、遺族厚生年金との差額があれば、差額分を遺族厚生年金として受給することになります。そのため、１２４万８２００円－３０万円＝９４万８２００円が遺族厚生年金として支払われる金額となります。
最終的に花子さんが受け取る年金は老齢基礎年金と老齢厚生年金と遺族厚生年金で合計１８４万８２００円になります。